1998 Fiscal Year Annual Research Report
周期的可換図式の分類及びflat connectionの計算
Project/Area Number |
09740097
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
櫻本 篤司 福井大学, 工学部, 助教授 (60270956)
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Keywords | 作用素環 / 指数理論 / commuting square / 有限群 |
Research Abstract |
II_1型因子環の有限直和からなるvon Neumann環4つで構成されるperiodic commuting squareについての分類を目標としたが、今年度も前年度に引き続き、4つのvon Neumann環のうち3つがII_1型因子環である場合を研究対象とした。 分類は因子環でないvon Neumann環のトレースベクトルやvon Neumann環の間の指数に着目して行い、各指数の値が4以下の場合はperiodic commuting squareは高々9種類、指数の値を4未満に制限すると高々4種類しか存在しないことを示した。また、これらのうち指数の値が整数となる8種類については、有限群(置換群や二面体群など)のII_1型因子環へのouter actionを用いて実際に構成した。 その方法は以下の通りである。 有限群Gとその2つの部分群H,Kをとり、GのII_1型因子環Rへのouter actionをαとする。Rに対して接合積やテンソル積を施すことにより4つのvon Neumann環R〓_αH,R〓_αG_1(R【cross product】l^∞(G/K))〓_<α【cross product】λ>H,(R【cross product】l^∞(G/K))〓_<α【cross product】λ>G(ただし、λはGからl^∞(G/K)へのleft action)が得られるが、これらから構成されるcommuting squareはperiodicとなっており、(R【cross product】l^∞(G/K))〓_<α【cross product】λ>H以外はすべてII_1型因子環である。さらに、(R【cross product】l^∞(G/K))〓_<α【cross product】λ>Hについては、G=HKとなる場合に限りII_1型因子環となる。 また、この構成法で得られるperiodic commuting squareに関しては、分類の際に用いられるトレースベクトルやvon Neumann環の間の指数が、有限群Gと部分群H,Kの指数などを用いて表される。このことを用いて、作用素環における指数理論の結果の群論への応用をいくつか示した。
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Research Products
(1 results)