1997 Fiscal Year Annual Research Report
2次元系におけるボ-ス凝縮の統一的取り扱い方法の構築
Project/Area Number |
09740291
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
徳光 昭夫 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 助手 (00244575)
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Keywords | ボ-ス凝縮 / 引力ハバ-ドモデル |
Research Abstract |
本研究は、引力ハバ-ドモデルと斥力ハバ-ドモデルがカノニカル変換に射影されるのを利用し、引力系でのボ-ス凝縮状態の相互作用の強さによる移り変わりを調べるものである。本年度は、斥力ハバ-ドモデルのon-site相互作用を平均場近似により取り扱い、そのプログラムのコーディングと解の検討を行った。その結果、以下のような知見が得られた。 よく知られているように、斥力ハバ-ドモデルは斥力の強い場合には反強磁性ハイゼンベルクモデルに帰着するので、当初の計画では、この系をスピン系に射影して取り扱う予定であった。しかし斥力の弱い場合にはトランスファーの項が重要であるが、これはスピン系では表示不可能のため、斥力の大きさ如何にかかわらずスピン系として扱うことは、平均場近似による取り扱いでは困難であることがわかった。なお斥力の強い場合は、トランスファー項を2次摂動として扱えるため、スピン変数で表現可能である。この場合の計算は、Robaszkiewiczらによってすでに行われている。 したがって今回使用した平均場近似による手法では、クロスオーバーの問題を扱うには不十分である。さらに改良するに、lanczos法による厳密対角化かモンテカルロ法による計算を検討している。 なお申請時には、有限温度の系を扱うためには反強磁性系をさらに強磁性系に射影して松原・松田流にする必要があると考えていたが、反強磁性のままで取り扱ってもかまわないこともわかった。
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