1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750334
|
Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
高野 明夫 沼津工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (60179463)
|
Keywords | 誘導電動機 / 2自由度制御 / 適応制御 / 外乱オブザ-バ / PLL制御 |
Research Abstract |
誘導電動機の制御実験システムを構成した。制御対象には3相2.2kWの誘導電動機を採用し、負荷装置として2kWの直流発電機を連結させた。当初、負荷装置として渦電流式の動力計を検討したが、低速負荷実験が困難なので、直流機を用いることにした。信号観測用としてトルク検出器と速度検出器を付加した。制御側はインバータとパーソナルコンピュータ、及び拡張ボードから構成した。拡張ボードにはDAコンバータとカウンタを内蔵したものを採用した。 誘導電動機の制御演算部分は、全てコンピュータのソフトウェア内で実行できるようにした。制御演算は主にトルク制御演算と速度制御演算に分けられ、トルク制御演算には一次磁束一定の高速トルク制御法を採用し、速度制御演算には2自由度制御と適応制御を併合させた手法を用いた。本研究ではこれを2自由度適応制御と呼ぶことにした。トルク制御の制御周期は0.25mS、速度制御の制御周期は7.5mSとした。速度制御演算に2自由度制御を採用することにより、誘導電動機の外乱抑制特性と目標値追従特性を別個に調整できるようになった。さらに適応制御を採用することにより、機械的定数を同定しながら、その同定値に応じて2自由度制御部の制御係数を自動調整できるようになった。この自動調整は、システム全体の極やゼロ点がz平面上の指定位置に保たれるように遂行されるため、機械的定数の異なる誘導電動機を用いても、同一の目標値追従特性を得ることができる。実験を行ったところ、予想通りの結果を得ることができた。今後は、実験結果を学会に発表すると同時に、外乱オブザ-バやPLL制御の適用を検討する予定である。
|