1998 Fiscal Year Annual Research Report
リカレントニューラルネットワークのカオスダイナミクスによる楽音合成の研究
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09750444
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
大矢 健一 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (20259865)
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Keywords | リカレントニューラルネットワーク / カオスダイナミクス / 神経結合子 / 楽音合成 |
Research Abstract |
リカレントニューラルネットワークによる楽音合成モデルをSGI社のワークステーション02上にソフトウェアにより構築することができた。各パラメータのセットによる応答をリアルタイムに「音」として出力するシステムを開発した。システムはC言語で開発し、GUIとしてはX Window SystemにおけるX Toolkitを用いた。システムの内部は、連立微分方程式を解くための数値計算となっている。 楽音合成の歴史は古く、これまでにさまざまな手法が提唱されてきたが、リカレントニューラルネットワークを用いることの利点の一つは、非線型ダイナミクスの学習が可能になるということである。これにより、自然楽音から出る波形に特徴的なゆらぎなどについても、その背後にある非線型も含めて波形を学習できる。また、もう一つの利点は、学習されたリカレントニューラルネットワークは連立微分方程式の系であるため、学習データの時間によらない長時間の波形出力を得られるということである。 楽音合成のためのリカレントニューラルネットワークのアーキテクチャについては、まず比較的少数のニューロンから構成されるものが考えられ、これは楽音合成のリアルタイム性に優れていることが示された。 また、比較的多数のニューロンから構成されるネットワークは、学習則により汎用の楽音合成に適していると考えられるが、ヴァイオリンの定常音でさえもかなりの複雑度を有しているということが今回明らかになり、APOLONNよりもさらに強力なアーキテクチャが必要なことが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大矢健一: "リカレントニューラルネットワークによる楽音合成" 情報処理学会研究報告(IPSJ SIG Notes). Vol.98,No.15. 15-20 (1998)
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[Publications] Ken'ichi OHYA: "Sound Variations by Recurrent Neural Network Synthesis" Proc.of the 1998 International Computer Music Conference. 280-283 (1998)