1997 Fiscal Year Annual Research Report
可視化実験手法を用いた地下連続壁のコンクリートの充填性予測に関する研究
Project/Area Number |
09750534
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
橋本 親典 徳島大学, 工学部, 助教授 (10180829)
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Keywords | フレッシュコンクリート / 地下連続壁 / 充填性予測 / 可視化モデル / トレミ-管 / 粘塑性空間要素法 / せん断粘性 / 降伏値 |
Research Abstract |
本研究では,地下連続壁内に打ち込まれるコンクリートの施工性の予測技術を確立することを目的として,フレッシュコンクリートの可視化モデルを用い,溝壁内コンクリート中にトレミ-によって流入するコンクリートの充填状況の可視化を試みた.一方,粘塑性空間要素法を用いた動的2次元解析を試み,可視化実験で得られたコンクリートの充填状況予測の可能性について検討した.以下に,本年度において得られた知見について記す. 1)本研究で提案したフレッシュコンクリートの可視化モデルによる地下連続壁コンクリートの充填状況の可視化実験で得られた,コンクリートの変形性とトレミ-による施行速度および充填状況との関係は,従来の実際の地下連続壁コンクリートの施行現場で得られている経験的な知見と一致しており,本可視化実験方法の有効性が示された. 2)トレミ-の貫入長を実機で2.0m程度とした場合,上面にコンクリートが噴出することはない.また,コンクリートの粘性が増加するほど,打上がり速度は低下する. 3)溝壁内に流入するコンクリートの充填形状は,コンクリートの変形性に影響を受けること,特に降伏値と関係がある. 4)谷川・森らが開発した粘塑性空間要素法によるフレッシュコンクリートの流動解析プログラムを地下連続壁コンクリートの充填状況予測に用いる場合,トレミ-からのコンクリートの流入速度,コンクリートのせん断粘性および降伏値の3種類の入力データを適切に設定することにより,可視化実験で得られた流入コンクリートの充填形状の経時変化を再現することが可能である. 5)入力データに用いるコンクリートの流入速度,コンクリートのせん断粘性および降伏値の値は,必ずしも実験で用いた実際の値とは一致しないが,正の相関性を有する.
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