1997 Fiscal Year Annual Research Report
兵庫県南部地震による鉄筋コンクリート高架橋の衝撃的破壊現象の解明
Project/Area Number |
09750560
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
石丸 和宏 明石工業高等専門学校, 都市システム工学科, 講師 (30285283)
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Keywords | 放電 / 衝撃 / 実験 / 地震 / 高架橋 / 破壊 |
Research Abstract |
本研究では,供試体の底面に鉛直衝撃を与える実験を行うことにより,兵庫県南部地震で見られた構造物の破壊現象を解明することを目的としている.衝撃を与える装置は,従来の衝撃実験ではよく用いられていた火薬を用いず,安全かつ容易に衝撃力を得られる水中放電装置とし,その開発を行った.当初は水中放電により衝撃を与えていたが,放電よりも導線に高電圧をかけることにより導線を爆発させる方がより大きな衝撃を得られることがわかったため,水中線爆装置の開発を行った.実験で用いる供試体は高架橋を想定して,円柱の底面にさらに断面の大きい円盤を完全接合し,上面にはおもりを取り付けられるようにした.ただし,供試体の材料は作業性などを考慮し,石膏で作成した.その寸法は底面の円盤は厚さ3cm,直径12cm,円柱では長さ10cm,直径4cmとした.この供試体の底面に線爆装置で鉛直衝撃を与えた結果,上載荷重のちがいにより圧縮,引張りそれぞれの破壊形式が見られ,その破壊形状は高架橋のそれとほぼ同じであった. 以上が本年度の実験であるが,今後の課題および平成10年度の予定は以下の通りである. 1.水中線爆装置に用いている導線の材質,太さそして長さなどの違いによる供試体底面で受ける圧力の影響. 2.遠心場での実験. 3.加速度計を用いて供試体が破壊に至る衝撃力を測定および供試体に動ひずみ計を貼り,そのひずみの測定. 4.材料特性や供試体の形状による衝撃破壊へ及ぼす影響. 5.供試体の上載荷重による破壊形式の違いの検討. 6.本実験で得られた結果と兵庫県南部地震で被害を受けた高架橋の破壊状況を比較することにより,その被害の主原因の考察および破壊メカニズムの解明. 7.報告書の作成.
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