1997 Fiscal Year Annual Research Report
(Sm,Tb)Fe_2薄膜の窒素組成変調による磁場高感度巨大磁歪材料の開発
Project/Area Number |
09750768
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋 敏之 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50261508)
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Keywords | 巨大磁歪材料 / 希土類合金 / ラーベス相 / 窒素反応スパッタ法 / 組成変調膜 / 薄膜 / 磁場高感度 / 結晶磁気異方性制御 |
Research Abstract |
これまでに窒化によって巨大磁歪薄膜材料を得るという報告は行われておらず、また膜面垂直方向に組成変調させた膜を用いて構造の制御を行い、磁歪を積極的に制御するという報告は行われていない。そこで、反応性スパッタリング法により成膜中に窒素を導入させることによりSmFe_2合金およびTbFe_2合金薄膜のナノ結晶化を図り、結晶磁気異方性を減少させ高感度な巨大磁歪薄膜を作製することが本研究の目的である。さらに成膜中において窒素分圧を精密に制御することによって膜面垂直方向に組成変調させた薄膜を作製し、薄膜巨大磁歪材料の高磁場感度化について詳細に研究を行う。 本年度は窒素組成変調膜を作製するための準備段階として種々の組成の窒化膜を作製した。作成した組成は(SmFe_2)_<100-X>N_Xおよび(TbFe_2)_<100-X>N_X(X=0〜10at%)である。総膜厚は1μm程度とした。スパッタ条件はrf投入電力300W、成膜中の雰囲気ガス圧を5〜40mTorrと変化させた。成膜中の窒素流量比は0〜5%と変化させた。これらの結果から巨大磁歪を有するLaves組成の薄膜では窒素流量比を変化させた場合においても磁化が飽和するためには5kOe以上の磁場が必要であったが、希土類合金チップの組成調整およびわずかO.5%程度の窒素流量比において保磁力が数Oeへと低減され、低磁場において磁化の立ち上がりが改善された。すなわち、希土類合金薄膜において良好な軟磁気特性が得られた。平成10年度はこれらの結果をさらに進展させ、窒素を連続的に制御し、膜構造制御を行い高感度な薄膜磁歪材料の開発を行う。
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