1997 Fiscal Year Annual Research Report
AE法によるセラミックス繊維強化in-situ複合材料のメゾ損傷評価
Project/Area Number |
09750797
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高木 均 徳島大学, 工学部, 助教授 (20171423)
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Keywords | 複合材料 / MMC / メゾ / セラミックス / 界面 / in-situ / AE法 / アコースティック・エミッション |
Research Abstract |
金属基in-situ複合材料における材料全体のマクロスコピックな破壊現象と繊維・界面などのミクロスコピックな破壊現象を合理的に結びつけたメゾ的破壊モデルを構築するために,本年度は,メゾスコピックな組織因子を制御したモデル試料の創製とその評価に重点を置いて研究を進めた。 現有の高周波誘導炉を用いてNi-NiO系合金を溶製した.得られたインゴットを多目的一方向凝固装置で一方向凝固した.このとき,メゾスコピックな組織制御を行うため,凝固速度を1-30cm/hの範囲で変化させた.各試料に対して走査型電子顕微鏡ならびに透過型電子顕微鏡による組織観察を行った.その結果,(1)凝固速度Vの増加に対応して,NiO繊維同士の間隔(繊維間隔:λ)は減少すること,ならびに両者の間に他の共晶合金において認められているλ∝V^nの関係が成立すること,(2)繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は低速で一方向凝固した場合には50以上になり,高速で一方向凝固するとアスペクト比は約1まで減少すること,(3)調査した凝固速度範囲ではセル状組織には成らず,繊維の形状変化も少ないことなどを明らかにした. 来年度は,今年度作製したメゾスコピックな組織因子を制御した試料について引張試験とAE試験を行う予定である.その際,繊維間隔を変化させた材料の破壊形態とAEイベントの発生頻度,AE波形の周波数特性等との関連性について調査し,主として繊維間隔の影響を考慮したメゾ損傷モデルを構築する予定である.
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