1997 Fiscal Year Annual Research Report
爆発衝撃圧縮と燃焼合成によるSm-Nd-Fe-B-N系強磁性複合材料の開発
Project/Area Number |
09750799
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
友重 竜一 熊本工業大学, 工学部, 講師 (90258640)
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Keywords | 衝撃エネルギー / 燃焼合成 / 磁性材料 / 希土類磁石 / 保磁力 |
Research Abstract |
1.目的 本研究では燃焼合成(SHS)反応の急加熱・急冷の性質を利用することでSm_2Fe_<17>Nxの分解を抑制できると考え,水中衝撃圧縮法とSHSを組み合わせた方法を用いてSm_2Fe_<17>Nx単体のバルク材を作製し,さらに下記の反応(1)で生成したSm-Fe-N系とNd-Fe-B系を母相とする緻密な磁性複合材料の作製を試み,その磁気特性の評価を目的とする。 2.合成条件の決定 当初,Nd_2O_3,Sm_2O_3,Fe,BおよびBNの粉末を原料として用い,次のような反応で合成が進むと仮定して大気中で実験を試みた。(Nd_2O_3+16Fe+B)+(Sm_2O_3+17.5Fe+0.5BN)→Nd_2Fe_<14>B+0.5Sm_2Fe_<17>N+0.5Sm_2Fe_<14>B+2Fe_2O_3……(1)しかしながら,Ti+2B→TiB_2の反応熱をchemical ovenとして用いて(1)式の反応を促進させたがX線回折結果からは類似した回折線は見られたが,Nd-Fe-B系とSm-Fe-B-N系の目的の両相を明確に検出することはできなかった。そこで,原料にNdとSmを用いて(2)式の反応を試みた。 (2Nd+14Fe+B)+(2Sm+17Fe)→^^<N2>Nd_2Fe_<14>B+Sm_2Fe_<17>N ………(2)反応における窒素源は空気中に求めた。結果として,(1)の反応より高い反応熱を伴い,(2)式の前者でNd_2Fe_<14>B,NdNとFeを,後者ではSm_2Fe_<17>Nx相とFeが検出された。すなわち,希土類金属を用いたことにより,(1)式を上回る熱量で反応が生じ,目的の相が生成されたと考えられる。来年度はこれらの結果を基に未反応鉄を減少させ両相の最適生成条件を調べると共に,衝撃圧縮実験を行い,得られた複合磁性体について,その性能を評価する。
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