1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750845
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
林 順一 関西大学, 工学部, 講師 (60247898)
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Keywords | 活性炭 / 薬品賦活 / 吸着 / 多孔質材料 |
Research Abstract |
本年度は,おから,ビール滓,コーヒー豆滓を原料として塩化亜鉛,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸カリウムを賦活剤に用いた薬品賦活法により活性炭の製造を試みた。そして,炭化・賦活温度,その温度での保持時間,賦活剤の含浸率(原料重量/賦活剤重量)などの製造条件が,比表面積,細孔分布に及ぼす影響について検討した。 (1)炭化・賦活温度が比表面積に及ぼす影響 おから,ビール滓,コーヒー豆滓いずれを原料とした場合についても,塩化亜鉛を用いた場合には炭化・賦活温度500〜600℃で比表面積は最大となった。水酸化カリウム,炭化カリウムを、用いた場合は炭化・賦活温度700℃を越えると比表面積が急激に増加し,800℃で最大となった。水酸化ナトリウムを用いた場合には,700℃で比表面積が急激に増大したが,800℃では賦活が進行しすぎたために収率がほぼゼロとなった。 (2)保持時間が比表面積に及ぼす影響 どの原料,どの賦活剤を用いた場合についても保持時間による比表面積の変化は,少なかった。 (3)含浸率が比表面積,細孔分布に及ぼす影響 塩化亜鉛を用いた場合には含浸率が2.6まで,その他の賦活剤の場合では含浸率1.0まで含浸率の増加に伴い比表面積も増大したが,それ以上の含浸率では,比表面積の変化はほとんどなかった。しかし,メソ孔容積の増加が見られた。 比表面積は,上述の製造条件を変化させることにより,いづれの原料からも市販活性炭と同等の比表面積(1000m^2/g)からそれをはるかに上回る2500m^2/gという高比表面積を有する活性炭を製造できた。
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