1997 Fiscal Year Annual Research Report
二色誘導ラマン効果を利用した分析化学用超短パルス光源の開発
Project/Area Number |
09750888
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平川 靖之 九州大学, 工学部, 助手 (80238344)
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Keywords | 超短パルス / 誘導ラマン散乱 / Ti:サファイアレーザー |
Research Abstract |
本年度は、以下のことを行った。 1.本研究に最適なオートコリレーターの検討・製作 2.位相同期確認の方式の検討 (1)については従来研究代表者が用いてきた強度位相相関法、及びFrequncy-Resolved Optical Gating(FROG)について検討した。その結果、FROGでは強度相関法を包含する上、位相の情報まで同時にリアルタイムで計測できるため、FROGを採用することとした。FROGには様々な方式があるが、本研究では感度が高く、実験が比較的容易と考えられるSHG FROGとした。この決定に基づき、光学部品、非線形結晶、CCDカメラ、解析ソフトウェア等を準備・製作した。このFROGシステムは、最高5fs程度のパルスまで計測可能であるので、本研究で計測を考えている30fsのパルス幅には十分である。(2)については、実際に800fsのFourier限界光を使用して超短パルス光パルス幅計測実験を行う前に、本研究で提案している回転ラマン散乱で周波数領域を拡張された光をもとに、超短パルス光を発生できるのかどうかを実証するための簡便な方式をFROGシステムで行うことを計画した。すなわち、ラマン散乱により周波数拡張された光を従来超短パルス光発生によく利用されている自己位相変調光のようにパルス圧縮できるものなのか、言い換えれば、ラマン散乱光をチャープ光の一種として捉えることができるのかを確認することとした。この確認には、FROGシステムを使えば容易にできる。つまり、チャープした光では、光のスペクトルはFROG出力で連続した光の帯として確認できるが、そうでない全く独立した光の集まりでは独立した光の像が複数個得られることになる。 現在まで、まだ超短パルス光の確認には至っていないものの、その基礎的な現象を本方式で確認し、その後実際にパルス幅を計測する予定である。
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