1997 Fiscal Year Annual Research Report
高分子エレクトロレオロジー流体の高次構造と分子運動の解析
Project/Area Number |
09750996
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 慶二 徳島大学, 工学部, 講師 (70250959)
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Keywords | エレクトロレオロジー / ER効果 / NMR / 緩和時間 / 分子運動 / 相互作用 |
Research Abstract |
1.芳香環を有するイソシアナ-トをポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールに付加することにより、種々のウレタン化ポリエーテルを合成した。本研究費の設備備品費で購入した示差屈折計をGPC装置に組み込み分子量分布を確認した。ジイソシアナ-トを用いた場合は二量体以上の高分子量成分の存在が確認された。一方モノイソシアナ-トを用いて合成した試料は、ほぼ単分散であった。 2.各試料について、0〜3kV/mmの電圧を印加しながら剪断粘度および法線応力、動的粘弾性の測定を行った。これらの化合物は粘度や弾性率が電場下で増加または減少する正または負のER効果を示した。 3.電場による高次構造変化に伴う分子運動や分子間相互作用の変化を調べるために単分散試料を用いて^1H-NMR緩和測定を行った。各プロトンピークのスピン-格子緩和時間T_1の温度依存性を調べた。希薄試料ではどのプロトンもT_1は温度の減少とともに減少するという一般的傾向を示すことが分かった。しかし高濃度の場合、T_1は温度の減少によって主鎖プロトンでは減少したが、末端基プロトンでは逆に増加傾向を示した。比較的低分子量の物質であるにもかかわらず分子量数万の高分子と同様の挙動を示すことから顕著な分子間相互作用が示唆される。 4.スピン-スピン緩和時間T_2は濃度およびプロトンの位置に大きく依存し、特に主鎖プロトンのT_2の濃度依存性が大きいことから、分子間相互作用が主鎖で起こっていることが示唆された。T_2から得られる分子運動の情報は、10^<-4>sec程度の比較的遅いモードであり、ER効果と関連が深いと考えられる。 5.種々の末端修飾ポリエーテル類の合成および側鎖型ビニルモノマーの重合により、ウレタン以外の各種資料を調製した。次年度にER特性評価を行い、新規ER流体としての可能性を検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Minagawa: "NMR analysis of molecular motion of polyurethane ER fluid." Int.Conf.on ERF,MRS and Their Applications. 13-14 (1997)
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[Publications] K.Minagawa: "Preparation and property of model homogeneous ER fluids having urethane groups." Int.Conf.on ERF,MRS and Their Applications. 216-217 (1997)
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[Publications] N.Gohko: "The effect of molecular structure on the negative and the positive ER effet of urethane polymers." Int.Conf.on ERF,MRS and Their Applications. 226-227 (1997)
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[Publications] T.Miyahara: "Polymerization and complexation of methacryloylalanine." Prepr.of 5th Pacific Polymer Conf.110-110 (1997)
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[Publications] H.Ogawa: "Polymerization of α-acetylaminoacrylic acid and its methyl ester." Prepr.of 5th Pacific Polymer Conf.111-111 (1997)
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[Publications] K.Minagawa: "NMR relaxation behavior of homogeneous electrorheological fluids." Prepr.of 5th Pacific Polymer Conf.457-457 (1997)