1997 Fiscal Year Annual Research Report
動環境における「車椅子一人体」系のモデリングに関する基礎研究
Project/Area Number |
09751022
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
有馬 正和 大阪府立大学, 工学部, 助手 (70264801)
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Keywords | 車いす / 旅客船 / ユーザビリティ / 使用性能 / バリアフリー / テストダミ- / モデリング / リハビリテーション工学 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は,フェリー・旅客船といった動環境における車いすのユーザビリティ(使用性能)を正確に評価することによって,車いす使用者が安心して船旅を楽しむことができるようにすることである。本年度に実施した項目は下記の通りである。 1)現在就航中のフェリー・旅客船における車いすの転倒/暴走事故の実態を把握するために,内航船208隻を対象としたアンケート調査を実施した。車いす使用者には介助者の同伴を必要をする場合が多く,転倒/暴走に至ることは稀であることがわかった。 2)「動環境⇒車いす⇔人体」の力学的な相互影響を明らかにするためには,個人差に依存することなく,動環境に対する車いすの応答を把握しておく必要がある。そこで、車いすの運動性能計測に用いられるテストダミ-(ISO7176-11規定)を製作した。 3)動環境における車いすの挙動を調べる上で,試験床面の摩擦係数は重要な要素である。そこで,床面の摩擦係数測定用のテストブロック(ISO7176-13規定)を製作した。 4)大阪府立大学工学部海洋システム工学科「乗り心地シミュレータ」のキャビン内で,テストダミ-を載せた車いすの運動を計測した。また,同一条件で人間を被験者とした計測も実施した。 5)神戸商船大学練習船「深江丸」(499総トン)の後部甲板上で車いすの運動計測を実施した。計測は紀淡海峡南方の太平洋上でz試験中に実施したが,冬場にも拘わらず穏やかな海象(波高0.5〜1.0m)であったため殆ど揺れなかった。 現在,運動計測データの解析と共に,「動環境⇒テストダミ-搭載車いす」の力学モデルの構築を進めているところである。次年度は,人間を被験者とした実験結果から「車いす⇔人体」系のモデリングを行う予定である。
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