1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09760027
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
村井 泰広 静岡大学, 農学部, 助手 (60209997)
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Keywords | ウメ / アンズ / 雄性・不稔 / DNA / 花粉 |
Research Abstract |
ウメの雄性不稔品種の類縁関係についてDNAを用いた遺伝的解析を行った。 平成10年度はウメの雄性不稔および稔性品種を用いてそれぞれの葉中の全DNAを抽出し,RAPDによるPCR法を用いて雄性不稔品種の類縁関係を推定した。その結果,バンドの多型がみられたプライマーは13種類であった。その結果を群平均法を用いたクラスター分析によって遺伝的距離を検討したところ,雄性不稔品種間では一定の傾向がみられなかった。すなわち,雄性不稔品種でも稔性品種と極めて遺伝的に近いものもあり,逆に雄性不稔品種間で極めて遺伝的距離が近かった。 一方,ウメはアンズと植物学的に近縁であることから,種間雑種が多いことが知られている。種間雑種では花粉が不稔の場合が頻繁にみられる。よって,雄性不稔の一要因としてはアンズとの雑種性が考えられるため,アンズ数品種とウメの雄性不稔数品種を用い,それぞれの葉から全DNAを抽出し,RAPDによるPCR法を用いて電気泳動を行った。その結果を群平均法を用いたクラスター分析によって遺伝的距離を検討したところ,かなり,アンズとの遺伝的距離が近い品種もみられたが,遠い距離を示す品種もみられた。 以上の結果を総合すると,ウメの雄性不稔の要因としてはアンズとの種間雑種も考えられるか,雄性不稔を支配する遺伝子が考えられ,より高度な遺伝子解析法が必要と考えられた。
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