1997 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換作物のEdible Vaccine化に関する研究
Project/Area Number |
09760300
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉岡 啓子 理化学研究所, 微生物制御研究室, 基礎科学特別研究員 (10291098)
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Keywords | 形質転換植物 / ワクチン / B型肝炎ウィルス / HBV / Edib le Vaccine |
Research Abstract |
Edibule Vaccineのモデル実験として、B型肝炎ウィルスのCore抗原タンパク質遺伝子を導入したトランスジェニックタバコを作成した。このタバコから外来遺伝子の生産物であるCore抗原タンパク質を抽出、精製しマウス(Balb/c)に経口摂取させ、経口免疫感作について実験を行った。その結果、皮下注射による免疫感作に比べると約1000倍の抗原量を必要としたが、マウスの血清中にCore抗原特異的抗体が認められ、マウスに液性免疫が誘導されたことがわかった。次にマウスに誘導された抗体の認識する主要な抗原エピトープ部位及び抗体のサブクラスをタンパク質相互作用を解析することのできるIAsysを用いて解析した。その結果、主要なエピトープ部位はCore抗原タンパク質がアセンブリーしてできる粒子のエピトープ部分であることが示唆され、また抗体のサブクラスは大半がIgG、IgM抗体がであることがわかった。IgA抗体は血清中および腸管での分泌物中ともに本方法では現在のところ検出されていない。またマウスの脾臓細胞での免疫応答反応を抗原刺激によるトリチウムラベルしたチミジンの取り込みによって解析した。その結果、脾臓細胞の増殖刺激活性が見られ、Core抗原の経口感作による免疫誘導において脾臓細胞が関与していることを確認した。現在脾臓細胞のT細胞のみの関与も解析中である。 以上のように植物細胞で生産されたB型肝炎Core抗原タンパク質に関する基本的解析を終え、このタンパク質がEdibule Vaccineに利用できることを明らかにした。現在この遺伝子を最終的な目標である食用作物に導入している。
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