1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770176
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
橋本 安弘 岐阜大学, 医学部, 助手 (70218428)
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Keywords | サルモネラ / 莢膜 / 多糖体 |
Research Abstract |
チフス菌の病原因子として重要なvi多糖体(Gal NAcAからなるホモポリマー)の生合成に必要な4つの遺伝子のうち、vipA産物の機能について解析した。vipA遺伝をtacプロモーター下流にクローニングし、大腸菌XL1-Blueに導入、IPTGで誘導しvipA産物を大量発現させた。菌体をソニケートで破壊、遠心し上清を粗酵素液として使用した。これをNAD存在下で低濃度のUDP-GlcNAc(20μM)と30Cで反応させると、新規化合物が形成されることがわかった。化合物のろ紙クロマトグラフィー上での移動度を調べたところUDP-GlcNAcからPseudomonas ATCC25020の菌体抽出液を作用して作製した UDP-GlcNAcA標品と同じ移動度を示すことがわかった。またカルボジイミドで還元後、ホスホジエステラーゼ、アルカリホスファターゼで処理すると、GlcNAc標品と同じ移動を示したことから、この化合物をUDP-GlcNAcAと同定し、vipA産物はUDP-GlcNAc dehydrogenase活性を示すことがわかった。この酵素の至適pHは9.0で0.1M以上の硫酸アンモニウムにより活性化され0.1mM p-Chloromercuribenzoateにより阻害されることからMicrococcus luteus由来の同酵素と類似の性状を示すことがわかった。また抽出液を種々の濃度のUDP-GlcNAcと作用させると、0.5mM以上ではアッセイ系に含まれるUDP-GlcNAc-2-epimeraseとUDP-ManNAcA dehydroqenaseの影響を強くうけ主にUDP-ManNAcAの生成がみられた。これらの酵素をコードする遺伝子rffE、rffDをTn10で不活化した大腸菌をプラスミドホストに使用することでこの影響を除くことができた。
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