1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770267
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
神山 朝政 琉球大学, 医学部・付属病院, 助手 (30274898)
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Keywords | 高齢者 / 日常生活の活動性 / 生活における満足度 / 住民検診 |
Research Abstract |
1,研究目的 沖縄県本島南部に位置する糸満市で、65歳以上の一般住民を対象に日常生活の活動性(ADL)と住民検診の成績を調査し、ADLが障害された者の頻度やその障害因子を明らかにする。 2,研究実施計画 糸満市は面積45.81Km^2、人口54,729人(平成8年)の都市で、65歳以上の高齢者は6,015人(平成8年)で市全人口の11.0%。今回は同市内の5つの行政地区を対象地区とした。対象地区の全人口は7,248人で、65歳以上の人口は1,188人(16.4%)。対象者は65歳以上の高齢者。調査は訪問による聞き取り形式で、ADLの障害の程度や要因を調査。検査成績は住民検診受診者はその成績を参考にし、非受診者は新たに病歴聴取、血圧測定、採血を施行。 3,研究結果 調査対象者1,188人中、1,077人について回答を得た。その内、回答項目数が不十分であった38人と検診受診の有無が不明の26人を除く1,013人を分析対象者とした。分析対象者1,013人を検診受診群(647人)と検診非受診者(366人)の2群に分け、群間比較を行なった。2群間に性差はなく、両群とも女性が約6割を占めた。年齢は65歳から104歳で平均年齢は非受診者群、受診者群で75.8±7.8歳、72.9±6.3歳で非受診者群が有意に高齢であった。ADLに関しては起居移動や身の回り動作に関する項目で、いずれも受診者群が有意に得点が高かった。外出、買い物などの社会生活への参加・関心度を反映する手段的ADLでも受診者群で有意に得点が高かった。疾病保有率では心疾患、呼吸器疾患、痴呆および老衰が非受診者群に有意に多く、疾病を有しない者の割合は受診者群で有意に高かった。受診者群で有意に入院している者が少なく、95.6%の者が入院あるいは入所していなかった。しかし、通院中の者は非受診者群、受診者群で58.6%、54.1%と差がなかった。検査成績に関しては現在検査結果を解析中である。 4,今後の展開 今後は検査成績の解析、1年後のADLの得点の変化、ADLの変化度とそれに寄与する因子について検討する予定である。
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