1997 Fiscal Year Annual Research Report
超音波骨密度測定法の診療における有用性と降圧剤の骨代謝に与える影響
Project/Area Number |
09770276
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
目黒 真理子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50246352)
|
Keywords | 超音波骨密度測定法 / 降圧剤と骨代謝 |
Research Abstract |
我々は降圧剤が骨代謝に与える影響を縦断研究的に検討するために、当初合併症のない高血圧の初診患者を対象とした。しかし該当症例が少ないことおよび降圧剤を開始したものの単剤では降圧効果が不十分であることなど思うように集まらなかった。そこで平行して横断的研究をパイロットスタディとして開始した。当科通院中で1年以上単剤による高血圧治療を受けておりかつ他の合併症が無い患者のうち、カルシウム拮抗薬・ACE阻害薬またはβ遮断薬を内服中の患者を対象に骨代謝関連ホルモン・関連マーカーおよび骨塩量を測定した。さらに合併症のない高血圧の初診患者を降圧剤治療を開始する前の状態で同様に骨代謝関連ホルモン・関連マーカー・その他の関連検査・反応および骨塩量を測定してコントロールとした。今年度中にカルシウム拮抗薬・ACE阻害薬は各10名ずつβ遮断薬は5名さらにコントロールは10名集まった。各々の薬剤使用群をコントロール群と比較したところ骨塩量と骨代謝関連マーカー(オステオカルシン、尿中デオキシピリジノリン)活性型ビタミンDに関しては有意な差を認められなかった。副甲状腺ホルモンの平均値は、カルシウム拮抗薬群33±4.5pg/ml、ACE阻害薬群34±2.7pg/ml、β遮断薬群35±6.4pg/mlとなり、コントロール群48±3.7pg/mlと比較して有意に高値を示した。現在縦断的研究も平行して継続している。 また、超音波骨塩定量法による骨粗鬆症の各治療の経過観察は個々の患者の治療に対する適応が悪く、数名しか継続して経過観察されていない。が、傾向としては閉経後の女性は年齢と共に骨塩量が低下していくが、閉経前の女性においては時として骨塩量が増加していくようである。
|