1998 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外へ分泌されないヒト補体第二成分(C2)蛋白に関する検討
Project/Area Number |
09770331
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
赤真 秀人 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10202524)
|
Keywords | 補体 / ヒトC2 / 非分泌型C2 / シグナルペプチド / 小胞体 / ゴルジ体 |
Research Abstract |
細胞内の非分泌型ヒト補体第二成分(C2)蛋白に関する検討 各種のヒト細胞内にはthree formsのC2蛋白(84kDa,79kDa,70kDa)が認められる。これらのうち、84kDa蛋白のみが細胞外に分泌され、生理的なC2として血中に存在している。今回は、まず70kDaに相当するC2short蛋白に関する検討を行っているが、その細胞内局在をほぼ明確にすることができた。 Full-length C2 short cDNAをトランスフェクトしたmurine L cell(stable transfectants)を用いて、C2short蛋白の細胞小器官の局在を、マウス抗ゴルジ特異蛋白抗体とヤギ抗ヒトC2抗体を用いて二重標識蛍光染色法で検討した。C2 short蛋白はゴルジ体には存在していなかった。すなわちC2short蛋白が小胞体に留まり、ゴルジ体へは輸送され得ないことが立証される結果と考えられる。 さらにC2short蛋白の細胞生物学的な存在意義を明かにすることを目的として、現在は主に、Edmandegradation法を使用して、C2 short蛋白のN末端側アミノ酸配列を決定するための実験と、小胞体存在下におけるin vitro translation後のC2 short蛋白の小胞体膜との位置関係を確認する実験を施行中である。 また、雌鳥卵管に存在するsignal peptidase (部分精製した後に冷凍保存していた)を用いて、C2shor蛋白のsignal peptideの切断の有無を検討したところ、切断され なかった。Signal peptidaseの活性が低下してしまっている可能性も考えられたが、追加実験でも切断されず、新たなsignal peptidaseを作製中である。
|