1997 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性肝炎自然発症モデルを用いた重症肝障害の解析
Project/Area Number |
09770393
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
天羽 康雄 関西医科大学, 医学部, 助手 (10278608)
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / 肝障害 / 重症化 / LPS |
Research Abstract |
申請書に記載した計画に則り、免疫性肝炎を自然発症する(NZW x BXSB)F_1(W/BF_1)マウスを用い、自己免疫性肝炎の重症化について検討中である。 方法:8,12,16,20週令のW/BF1マウスにlipopolisaccharide(LPS)を経静脈的に投与し、0,6,12,24時間後に屠殺あるいは自然経過を観察。肝HE標本を作製し、週令、LPS量、投与後の時間および血清マーカーとの関係について検討した。 結果:肝障害の発症していない時期である12週令までの個体では、0,10,100μgいずれのLPS投与量にても生命に影響は認められなかった。しかしながら、肝障害が見られる16週令あるいはその程度が強くなる20週令の個体を用いると10μgの施注でさえも死に至る個体が認められるようになった。しかも、20週令の個体では、100μgのLPSを施注すると3日以内にそのほとんどが死亡し、剖検を行ってみると肝臓には変性および壊死の所見が確認された。同時に血清中トランスアミナーゼは高値を示し、血尿や肺出血を伴う個体も観察され、本系が自己免疫性肝炎の重症化モデルとなる可能性が示唆された。 一方、時間を追っての観察では、12週令のW/BF1マウスを用いた検討では6時間目に屠殺した個体の肝において変性、壊死像が強く、PAS染色にて染色性の低下ないし消失が見られたが、12時間から24時間後に屠殺した個体ではこれらの程度は軽減しており、全身状態の改善と良く一致していた。 今後、この系を確立し、更に検討を加えていく予定である。
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