1998 Fiscal Year Annual Research Report
肝性脳症時のベンゾジアゼピンレセプターの検討とベンゾジアゼピン拮抗薬の効果の検討
Project/Area Number |
09770398
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
古賀 郁利子 久留米大学, 医学部, 助手 (50205358)
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Keywords | 肝硬変 / 肝性脳症 / フルマゼニル / ベンゾジアゼピン拮抗薬 |
Research Abstract |
1985年より肝性脳症の治療にフルマゼニルが有効であるとの報告がある。我々はアルコール性肝硬変症に伴う肝性脳症の患者にフルマゼニルを単回投与しその有効性を報告した、昨年度の報告で持続投与での有効性も確認されつつある。本年はラットを用いた脳内でのペンゾジアゼピン(BZ)レセプターの検討を行っている。 1) ベンゾジアゼピン(BZ)レセプターの同定 昨年度より脳内でのBZレセプターの増減や分布の変化の検討を、急性肝不全ラットモデルで行っている。 (1) 脳内BZレセプターに対する抗体の作成 ラット大脳皮質より粗シナプス膜分画を抽出し、BZをつけたアフィニテイ力ラムに通して精製し、アジュバンドと混合し、家兎に免疫して、抗血清を得る。 (2) 肝不全(肝性脳症)ラットモデルの作成 急性肝不全;d-ガラクトサミン+リポポリサッカライド投与 (3) (2)で作製したラットモデルの脳内BZレセプターの染色 ※ 現在(1)の抗体産生からBZレセプターの染色で良好な結果が出ておらず実験・検討を進めている。染色が旨くゆきしだい(4)の検討も行う。 (4) フルマゼニル投与前後での(2)で作製したラットモデルでの脳内のBZレセプターの染色 2) 臨床的検討 昨年度の検討で、アルコール性肝硬変に伴う肝性脳症では単回投与や持続投与でも有効性が確認されつつある。症例を増やして検討を続ける必要があるが、当施設では本年度は投与に適当な患者の入院がなく、臨床的治験は進まなかった。もともと多い疾患ではないので、今後も検討を進めるには他施設との協力が必要かもしれない。
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