1997 Fiscal Year Annual Research Report
ホールヘッド型64チャンネル脳磁図を用いた小児難治てんかんの病態解析-MRスペクトロスコピー併用によるてんかん焦点の同定-
Project/Area Number |
09770541
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 克美 大阪大学, 医学部, 助手 (20273659)
|
Keywords | てんかん / 点頭てんかん / 前頭葉てんかん / 脳磁図 / 棘波 / ダイポール / MRSpectroscopy / N-acetyl-aspartate |
Research Abstract |
カナダCTF社製ホールヘッド型64チャンネル脳磁計を用いて、平成9年の1年間に延べ108名の脳磁図(MEG)を測定した。その内、てんかん患者98名において発作間欠時棘波の解析を行い、単一ダイポールモデルを適応し、発生源を推定した。 一部の症例においてMEGにより推定された電流発生源に関心領域を設定し、GE社製MRI Signa Advantage又はHorizon 1.5Tを用いたMRSpectroscopyによるN-acetyl-aspartate(NAA)のピークを検討した。 1) 点頭てんかんの既往があり、その後局在性棘波を有する症例は8例で、1〜数カ所にダイポールが推定された。限局性器質性病変(一側MCA閉塞、)を有する1例では、ダイポールはその近傍に推定された。限局性病変が明らかではなかった1例において、ダイポールの集中した場所を関心領域としてMRSpectroscopyを施行し、対側と比較してNAAのピークの低下を認めた。この部位は最近のMRIにより皮質形成異常の存在が疑われており、MEG,MRSの結果を支持した。 2) 前頭葉てんかんは13名解析した。1例は磁気棘波を認めなかった。3例は器質性病変を一側前頭葉に有し、MEGにより推定されたダイポールは病変部周辺に集中した。5例において一側前頭葉内にダイポールの集中を認めたがCT,MRIでは異常を認めなかった。残りの4名ではダイポールは前頭葉内外に広く分散した。ダイポールの集中した症例についてのMRSによるNAAピークの比較検討を次年度に予定している。 3) 二次性同期化による欠神様発作、部分性陰性ミオクロニアについては、本年度は該当症例が無く、次年度に予定している。
|