1997 Fiscal Year Annual Research Report
小児気管支喘息における末梢血C-Cケモカイン(MIP-1α、RANTES)の研究
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09770549
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田代 紀陸 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (60263779)
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Keywords | 気管支喘息 / 小児アレルギー / C-Cケモカイン / MIP-1 α / RANTES / 好酸救顆粒蛋白 / ECP |
Research Abstract |
気管支喘息の病態は、気管支の慢性炎症という概念で捕らえられている。とくに好酸救が重要視され、その活性化の指標として好酸救顆粒蛋白の臨床的意義が明らかにされている。一方、近年、それぞれ特定の白血球分画に対し遊送活性をもつケモカインファミリーの存在が明らかになり、選択的な炎症細胞浸潤において重要な役割を演じていると考えられている。このうちC-CケモカインであるMIP-1α(macrophage inflammatory protein 1 α)、RANTES(regurated on activation,normal T expressed and secreted)は好酸救に対して活性を持つことが判明し、アレルギー性炎症との関連が注目されている。そこで、今回は小児気管支喘息患者における末梢血好酸救顆粒蛋白(ECP(eosinophil cationic protein))とC-Cケモカイン(RANTES,MIP-1 α)を測定し、その関係について検討した。 対象は、小児気管支喘息患者42人で、発作時24検体、非発作時が22検体。コントロール群は、本人にアレルギー疾患のない健常小児10人とした。保護者に同意を得てサンプリングを行った。血清ECP値と血清RANTESおよびMIP-1 α値には相関を認めなかった。また血清RANTES値とMIP-1α値の間にも相関を認めなかった。RANTESについては、統計学的有意差はなかったが、コントロールに比して喘息患者で高い傾向があった。喘息発作時において、末梢血で好酸救増多のある群の血清RANTES値は好酸救増多のない群に比して有意に高値だった。末梢血では、好酸救顆粒蛋白とC-Cケモカインの関連は見いだせなかった。C-CケモカインのうちRANTESについては、末梢血好酸救との関連があるようなので、次年度は症例を増やし、同一患者での長期の追跡調査、対象をアトピー性皮膚炎にも拡大して検討を進めたい。
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