1997 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎患者ランゲルハンス細胞によるTh2T細胞活性化についての研究
Project/Area Number |
09770596
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芝木 晃彦 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (40291231)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / ランゲルハンス細胞 / T細胞 / サイトカイン / IgE / IgEレセプター / CO-Stimulatory molecule |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎病変部では、皮膚固有の抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞に、IgE分子が高親和性IgEレセプターFcεRIを介して結合していることが報告されており、FcεRI架橋によって誘導されるランゲルハンス細胞のフェノタイプの変化、あるいはサイトカイン産生がアトピー性皮膚炎でみられるTh2優位な免疫反応を誘導していることが強く予想される。我々はアトピー性皮膚炎病変部ランゲルハンス細胞のフェノタイプをフローサイトメトリーおよび免疫組織学的手法を用いて検討したところ、病変部ランゲルハンス細胞はFcεRIの発現が高く、また大部分がcostimulatory moleculeのCD86陽性であったのに対し、CD80陽性ランゲルハンス細胞はごく僅かであった。接触性皮膚炎および尋常性乾癬病変部ランゲルハンス細胞でも同様の傾向がみられたがCD86陽性ランゲルハンス細胞の出現率はより低かった。次に我々は、健常人、アトピー性皮膚炎および尋常性乾癬患者から調整した末梢血単核球分画をLPSまたは溶連菌由来スーパー抗原で刺激し、FITC標識抗CD3、CD4、CD14抗体とPE標識抗TNF-α、IL-6抗体で二重染色し細胞内サイトカイン濃度をフローサイトメトリーにて半定量した。その結果、LPS刺激6時間後の単球内にTNF-α、IL-6の発現が認められた。また、溶連菌由来スーパー抗原SPEC刺激24時間後にリンパ球のTNF-αの産生が認められた。健常人、アトピー性皮膚炎および尋常性乾癬患者間でサイトカイン産生に差は認められなかった。今後はこのシステムを用いて、FcεRI架橋刺激後にランゲハンス細胞が産生するサイトカインおよびフェノタイプの変化がT細胞のサイトカイン産生に与える影響について検討していきたい。
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