1998 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎原因抗原の抗原性を決定するアミノ酸配列の同定と臨床への応用
Project/Area Number |
09770611
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高橋 毅法 帝京大学, 医学部, 助手 (30282635)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / ダニ抗原 / エピトープ / ヒトモノクローナル抗体 / IgE |
Research Abstract |
ダニに対するIgE抗体高値の患者末梢血リンパ球からEB virusでトランスフォームしたBリンパ芽球様細胞株を確立してクローニングすることで抗ダニIgEモノクローナル抗体の作成を試みた。総IgEが5000以上でダニに対するIgE scoreが5以上の患者を合計で24人選択し、まずはBリンパ芽球様細胞株を作成したが、ヒトのIgEモノクローナル抗体はまだ作成されたことがないため、その方法も確立されておらずELISPOTとpanningを組み合わせたスクリーニングなどの試行錯誤を繰り返した。現在、ELISA法にて培養上清中に高い抗体価を確認できる細胞株ができているが、クローニングが完成するまでに今しばらく時間を要する。同時に抗ダニIgGモノクローナル抗体の作成も進めてきたが、ELISPOTによってIgG産生細胞の方がIgE産生細胞よりはるかに多く血中に存在することが確認された。 ELISAでは二次抗体の違いに起因しIgE価とIgG価の比較はできないが、ELISPOTでは肉眼的にスポットを検出するため比較が可能となる。IgGとIgEの産生細胞の比はRASTによる抗ダニIgE抗体価に比例して、低くなることが証明されている。今後、どちらのクラスのモノクローナル抗体も多くのクローンから作成し、アトピー性皮膚炎の患者が反応するダニの正確な抗原部位をアミノ酸配列として同定する予定である。複数のエピトープが検出されれば米、麦など食事抗原部位との交差反応性、及びこのエピトープが実際に臨床的にも意義があるか否かも肥満細胞との反応性などで更に検討することを考えている。
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