1998 Fiscal Year Annual Research Report
RT-PCR法によるチロシナーゼ遺伝子ファミリーmRNAの検出とその応用
Project/Area Number |
09770616
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
塚本 克彦 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60242640)
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Keywords | チロシナーゼ / TRP-2 / HMB45 / メラノーマ |
Research Abstract |
色素細胞に特異的に発現している蛋白には、tyrosinaseだけでなく、TRP-2、HMB45(Pmel17)など複数のものがある。平成9年度の研究で、我々はこれらのmRNAをRT-PCR法によって検出する系を確立した。本年度は、この方法を応用して以下の研究を行った。 まずメラノーマ担癌マウスを用いて、in vitroでの血中メラノーマ細胞の存在を、このRT-PCR法によりtyrosinase,TRP-2,HMB45の各mRNAを検出することで確認できるか検討した。具体的には、C57BL/6マウスにB16-F10メラノーマ細胞1x10^6を背部に移植、1週間毎に採血し、この血液よりtotal RNAを抽出後RT-PCRを行い、何週目より血中メラノーマ細胞を検出できるのか検討した。4週後でもtyrosinase mRNAは検出できなかったが、Pmel17のmRNAは2週目より検出できるマウスがあり、4週目にはほぼ全マウスにPmel17のmRNAを検出できた。次に臨床における各ステージのメラノーマ患者60名から採血した血液を、同様の方法でRT-PCRを行い、血中メラノーマ細胞の検出を試みた。いずれの患者からもtyrosinase mRNAの検出はできなかったのに対し、HMB45 mRNAは、stageIでO%、stageII15%、stageIII17%、stageIVで39%に検出でき、HMB45 mRNAの検出がより鋭敏であることがわかった。以上の結果より、これまで報告されているtyrosinase mRNAの検出とHMB45 mRNAの検出を併せることで、実際のメラノーマ患者の血中メラノーマ細胞の検出感度を上げることができると考えられた。
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