1997 Fiscal Year Annual Research Report
放射性核種標識ポルフィリン誘導体の肝集積低減・腫瘍集積性増強に関する研究
Project/Area Number |
09770672
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山本 和香子 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60291241)
|
Keywords | ポルフィリン誘導体 / 腫瘍イメージング |
Research Abstract |
ポルフィリン誘導体の側鎖構造と生体内臓器分布,腫瘍集積性との関連を明らかにし,肝集積の低減,腫瘍集積性の増強をめざした最適な側鎖構造(スペ-サ他)を持つポルフィリン誘導体の開発を行い,ポルフィリン誘導体の有用性を腹部腫瘍イメージングに応用することを目的として、DTPAを介してTc-99mで標識した側鎖構造の異なる3種のマンガンポルフィリン誘導体(ATN-10,STA-R-21,STA-R-12,)の腫瘍集積性をマウス扁平上皮癌(SCCVII)移植C3Hマウス、およびマウス大腸癌(colo26)移植CDF1マウスを用いて検討した。解剖により腫瘍ならびに各臓器の放射能を経時的に測定した結果、ATN-10、STA-R-21では、腫瘍への集積は、3時間で最大を示し、4〜5%injected dose/g tissue(ID/g)であった。一方、腫瘍外組織では、腫瘍集積が最大を示す3時間で、血液、筋肉、骨、脳、肺は、それぞれ0.7、0.6、1、0.1、4%ID/g程度であり、これらの組織に対しては、ある程度の腫瘍集積比が得られたものの、肝、腸管、脾、腎の腹部臓器では、30、12、6、4%ID/g程度と腫瘍と同程度以上の集積が認められた。これに対し、側鎖構造にasparateを持つSTA-R-12は、3時間においてATN-10やSTA-R-21と同様の腫瘍集積を示したが、肝集積はATN-10に比し低く、3時間において約7%ID/gと約1/4の肝集積低減が可能であった。さらなる肝の放射能の低減をはかるべく、DTPAよりも強固なキレートであるSCN-benzyl EDTAを導入したSTA-R-12の合成を現在行っている。
|