1997 Fiscal Year Annual Research Report
T_1強調MR像における下垂体後葉の信号強度によるバソプレッシン含有量の定量評価
Project/Area Number |
09770720
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
黒川 弘晶 関西医科大学, 医学部, 助手 (40234588)
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Keywords | MRI / バソプレシン / 下垂体 |
Research Abstract |
実験動物(家兎)を用い、後葉内のVPを持続的に放出させた状態で、血中VP量とMRIにおける後葉の信号変化を定量的に測定し、相関性の有無を検討することによりMRIの信号強度からVPの定量的評価が可能かを解明した。 1)本実験モデルの作成 実験動物は体重約2Kg、雄の家兎(日本家兎)を用いる。下垂体後葉のVP分泌を促進し、貯留量を減少させる方法としては絶水状態を持続させた。動物飼育舎において搬入から7日間以上、水分と餌を与えたコントロール群と搬入7日以後は乾燥した餌を与えるが、水分は投与しない絶水群に分けた。絶水群はさらに絶水期間を48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、168時間の群に分けた。 2)MRI撮影 MR装置は臨床用の1.5T超電導型を用いた。全てのウサギは搬入7日頃にT1強調失状断像を撮像し、下垂体後葉の高信号を確認した。信号強度比は下垂体後葉と脳幹部との比で求めた。コントロール群は撮像後に屠殺し下垂体を摘出した。絶水後はそれぞれの絶水期間(48-168時間)の後2回目のMRIを撮像し、ただちに屠殺し下垂体を摘出した。 3バソプレッシンの測定 ラジオイノムアッセイ(MITUBISI社)を用い測定した結果、MRIでの下垂体後葉の信号強度は絶水負荷とともに減少を示し、その信号強度比と下垂体後葉のバソプレッシン含有量とに高い相関(γ=0.807)を認めた。この事はMRIで後葉体のバソプレッシン含有量の定量的測定が可能であることがわかった。
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