1997 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度ブドウ糖条件下ヒト単球培養系におけるインスリンのIL-6産生に及ぼす効果
Project/Area Number |
09770775
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
諸星 政治 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30280978)
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Keywords | IL-6 / インスリン / ヒトmonocyte培養系 / PKC |
Research Abstract |
ヒトmonocyte培養系を用いてインスリンがIL-6産生を抑えるかどうかの検討を行った。ヒトmonocyteをディッシュ付着法、比重遠心法で単離し1×10^6/mlに調整し、培養グルコース濃度を11mM、33mMとし、インスリンを100μU、1000μU添加し、6時間37℃5%CO2培養器で培養した。培養後細胞を回収しRNAを抽出後、IL-6mRNAに特異的なプライマーを用いてRT-PCR法で増幅後、アガロースゲルにて電気泳動しエチジウムブロマイドにて染色後紫外線下で撮影し、バンド吸光度をMolecular Dynamics社製のPersonal Densitometer SIで読み取りIL-6mRNA量の比較検討を行った。当初の予想では、インスリン量の増量によりIL-6mRNA量は低下し、その効果は高濃度グルコース下でより著明になるものと考えていたが、実験間でのばらつきが多く未だ一定の傾向を示すに至っていない。 従来までの検討で、我々はヒトmonocyte培養系において高濃度グルコース下ではIL-6mRNA量の増加傾向があることを認め発表した。そこでこの細胞内シグナル伝達は何を介しているのかを検討することとした。高血糖下ではprotein kinase C(PKC)の活性化が起こるとされている。そこでPKCの特異的阻害剤であるBisindolylmalelmideを培養系に添加することによりIL-6mRNA量が抑制されるかどうかを検討する予定である。併せてprotein kinase A(PKA)やprotein tyrosine kinase(PTK)を介する経路についても各々の特異的阻害剤であるH-89,DihydrochlorideやLavendustin Aを用いて検討する予定である。
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