1997 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシン肺障害に対する顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)投与の影響
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09770869
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
岩村 透 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20281305)
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Keywords | acute respiratory distress syndrome;ARDS / endotoxin / granulocyte colony stimulating factor;G-CSF / intratracheal administration / broncho-alveolar lavage fluid:BALF / neonatal piglet |
Research Abstract |
豚新生仔を用いた、急性肺障害モデルの作成を試みた。本研究の目的は,顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)がエンドトキシン肺障害に与える影響を評価することであるが、2年間の研究期間の初年度にあたる本年度は、顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)非投与群(コントロール群)を主とした検討を行った。 これまでに、生後5〜12時間の体重1000〜1200gの豚新生仔11頭を対象に実験を行った。ペントバルビタールで静脈麻酔をした後、気管切開により気管チューブを挿入し、臭化パンクロニウムを投与し自発呼吸を消去させ、time cycled pressure limited ventilator装着。エンドトキシンを経気道的に投与し、体血圧、心拍、動脈血酸素分圧、動脈血ガス分析、呼吸機能、末梢血細胞、気管支肺胞洗浄液(BALF)中遊離細胞数、等を投与180分後まで測定した。エンドトキシン投与量の設定のために、20mg/3mlsaline/kg、10mg/3mlsaline/kgおよび5mg/3mlsaline/kgと3種類の濃度で試行した。いずれの群においても急性肺障害(acute respiratory destress syndrome;ARDS)の病変を作り出すことはできたが、急性肺出血やショックを呈するものがあり、エンドトキシンの投与量は5mg/3mlsaline/kgが適当と判断した。 これまでの研究では、エンドトキシン投与60分後より、末梢血好中球数の著滅。血液ガス所見の悪化(とりわけpHの低下とPCO_2の上昇)が認められ、また、摘出肺標本では、炎症反応によると思われる強度の発赤を認め、適度な急性肺障害モデルの作成は成功した。現在、設定投与量よるコントロール群およびG-GSF投与群の比較実験を継続しており、症例数を増やすとともに、統計学的解析を進めている。
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