1997 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌肝転移における新しい化学免疫療法の開発と応用
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09770900
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石原 雅巳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80265826)
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Keywords | MMC,5FU,IL-2療法 / MMC,IFNγ療法 / 5FUの前処置によるLAK感受性増強 |
Research Abstract |
1)in vitro (1)^<51>Cr遊離試験によって,IL-2刺激リンパ球と各種薬剤との併用療法を検討した結果,5-FUで前処置した癌細胞のIL-2刺激リンパ球の感受性がコントロールに比べ2倍以上も増強していた. (2)ELISA法によりIL-2刺激リンパ球の上清中のサイトカインを計測するとTNFα,IFNγが上昇しており,それらはMMCの抗腫瘍性を増強していた.(4)とくにIFNγとMMC併用では,MTT assay法により各種ヒト大腸癌株(WiDr,HT29,C1,Colo205)すべてで相乗的な抗腫瘍効果を認めた. 2)in vivo (1)ヒト癌-SCIDマウス系を用い皮下腫瘍移植モデルによりIFNγとMMC併用の実験的化学免疫療法を行いWiDr,HT29大腸癌株で相乗的な抗腫瘍効果を得た.(2)ヒト癌-SCIDマウス系を用い脾注肝転移モデルにおけるIFNγとMMC併用の実験的化学免疫門注療法を行い,やはり有意な肝転移抑制を認めた. 3)MMC,5-FU及びIL-2の3者併用療法の作用機序には,5-FUで前処置した癌細胞のIL-2刺激リンパ球の感受性の増強とTNFα,IFNγによるMMCの抗腫瘍性を増強が関与していると考えられた.また新しい化学免疫療法である大腸癌肝転移に対するIFNγとMMC併用療法の有効性が示唆され,その作用機序解明のため,HPLCで癌細胞内のMMC濃度を計測したところIFNγの存在下でMMC濃度が増加していた.さらに,その作用機序解明のためMMCの酸化還元酵素活性を中心に検討している.
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