1998 Fiscal Year Annual Research Report
昇圧化学療法における腫瘍血管の薬剤反応性の観察,至適昇圧剤の選択
Project/Area Number |
09770961
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
石過 孝文 東海大学, 医学部, 助手 (70276822)
|
Keywords | 放射光 / 微小血管造影 / 腫瘍 |
Research Abstract |
担癌マウスモデル(マウス:BALB/c系,移植腫瘍:Colon26)による経動脈的な腫瘍微小血管造影を放射光微小血管造影システムで行った。 平成9年度の実験結果より経静脈的に毎秒3mlの造影剤(総量3ml)を使用した造影で,2cm以下の小腫瘍の約50マイクロメーターの微小腫瘍血管を撮像し形態を評価することが可能であった。しかしながら,この造影条件では繰り返し造影を施行することは困難であり,また粘稠度の高い造影剤を短時間に比較的大量に投与するため腫瘍血管の薬剤反応性などの病態を評価するには至らなかった。 そこで今年度(平成10年度)は,同様の担癌マウスモデルに対して経動脈的に造影を行うことで造影剤の投与量を減量し(0.1ml/秒,総量0.3ml)担癌マウスモデルに対し,繰り返し造影をする事が可能となった。 担癌マウスモデル(マウス:BALB/c系,移植腫瘍:マウス大腸癌Colon26)に腫瘍を移植し移植後1週,2週,3週,4週の時点で経時的に微小血管造影を行った。 移植後1週では数ミリ程度の腫瘍の腫瘍血管を観察し得た。腫瘍の増殖に伴い,右腋窩動脈,内胸動脈,肺動脈といった血管から栄養血管を得て成長する腫瘍血管の発達を経時的に観察することができた。 以上の結果から,今後は様々な抗癌剤の抗腫瘍効果を本血管造影システムで評価する事ができると考えられた。また,本撮影条件ではモデルに対する循環動態への影響も非常に少ないので腫瘍血管の薬剤反応性の評価も可能であると考えられた。
|