1997 Fiscal Year Annual Research Report
食道、胃術後機能の臨床的検査法の確立 -アイソトープ法と不透過マーカー法の比較 -
Project/Area Number |
09770968
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
梁井 真一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50287299)
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Keywords | アイソトープ法 / レントゲン不透過マーカー法 / 術後機能評価 |
Research Abstract |
胃、食道術後の残胃機能、再建臓器機能の判定のため、固形食摂取時にアイソトープ法とレントゲン不透過マーカー法による機能検査法を同時に行い比較し、簡便な臨床的検査法としてレントゲン不透過マーカーによる検査法が有用であるか検討することを目的として、健常人2例、本研究の主旨を十分に説明し同意の得られた幽門輪温存胃切除術後患者群4例、胃全摘回結腸再建患者1例、食道切除後胸骨後胃管再建患者3例、食道切除後胸壁前胃管再建患者1例、食道切除後骨後回結腸再建患者1例にアイソトープ法とレントゲン不透過マーカー法による検査を行った。検査時間が施設の都合で限られるため、検査施行できる患者を優先したことから、本年度の対象は実施計画と若干変更した。健常人においては、アイソトープ法での胃内残存率が10〜20%になるとマーカーの排出が始まり、その排出速度は急激であった。幽門輪温存胃切除術後患者においては術後6ヶ月から1年の症例はアイソトープ法に比べマーカー法の排出は遅延がみられたが3年を経過した症例にはアイソトープ法とマーカー法の結果には相関がみられた。胃全摘回結腸再建患者においてはアイソトープ法での測定では排出は急激であったがマーカー法の測定では4時間の検査時間内では全く排出がみられなかった。食道切除後患者はアイソトープ法では貯留傾向を示した胸壁前再建患者を除いて他の4例は急速な排出を示し、マーカー法の結果は術後8ヶ月以上経過した胃管再建例3例においてアイソトープ法と相関がみられた。以上よりマーカーの排出には、健常人では空腹期収縮の関与が考えられ、術後症例では、術後経過期間、再建臓器の貯留能、の関与が考えられた。今後は検症例数をさらに増やし、レントゲン不透過マーカーによる検査法の有用性を検討していく予定である。
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