1998 Fiscal Year Annual Research Report
Fontan型手術における心房内バルーン・パンピング法の開発に関する研究
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09771004
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
林 宗博 北里大学, 医学部, 助手 (20255334)
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Keywords | Fontan型手術 / 心房内バルーンパンピング |
Research Abstract |
SVC.IVC遮断用の小バルーンが右房内バルーンより僅かに早くInflation.Deflation駆動するような3連式Ba11oon pumpinng catheterは現有駆動装置での開発は困難で,昨年度から使用している7.0cc容量のIABPバルーン(Baxter社製mpdel0116-03)に上下1/3を絞扼して作製した3連式balloonで実験を継続した.右房-肺動脈間バイパスを作製した雑種成犬5頭を用い,主肺動脈遮断後control30分.pumping駆動30分を計3回行い180分で評価した.肺動脈収縮期圧は平均で8.5mmHg(p<0.01)上昇.逆に肺動脈拡張期圧は平均で2.5mmHg(NS)下降.肺動脈平均圧は2mmHg(p<0.05)の上昇であった.multisensorにより流速計測では,1.2m/sec程度(p<0.05)であった.また,肺動脈逆流量は,balloon駆動時に肺動脈圧の収縮期拡張期圧較差が大きくなったことからもわかるように,balloonがdeflationした瞬間には平均0.7m/sec(NS)の逆流速度が予測されたが,上下大静脈-肺動脈拡張期圧較差は極僅かで,その直後に心房収縮がおこるため,明らかな逆流速度は計測されなかった.この比較から肺動脈内流量増加は15%程度(p<0.05)と評価された. Fontan型手術における心房内バルーンハンピング法はその有用性が実証されたと判断してよいと考えるが,今日,Fontan型手術は心房内人工血管留置によるTotal cavo-pulmonary bypass法が主流で,本実験の3連式Balloon pumping catheterをそのまま臨床応用することは難しいと考えられる.今後balloonサイズ,容量の検討を含め,本実験を基礎とし,さらなる検討を要すると考えられた.
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