1997 Fiscal Year Annual Research Report
Fontan型手術における心房内バルーン・パンピング法の開発に関する研究
Project/Area Number |
09771004
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
林 宗博 北里大学, 医学部, 助手 (20255334)
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Keywords | Fontan型手術 / 心房内バルーン・パンピング |
Research Abstract |
本年度研究計画では,まず右房内バルーンの上下に容量約1/3の小バルーンの附属した3連式balloon pumping catheterの作製が第一課題であったが,7.0cc容量のIABPバルーン(Baxter社製model0116-03)を基本モデルとして,実験をおこなった.7.0cc容量のIABPバルーンをそのまま使用して行い,正常肺動脈犬では肺血流量が増加することを確認したうえで肺動脈絞扼犬で実験したが,肺血流は増加せず,静脈系(SVC,IVC)の圧上昇を認め,静脈系への逆流が帰って増加した.次に,3連式balloon pumping catheterをこの7.0cc容量のIABPバルーンの上下1/3を絞扼して作製し実際に駆動してみると、有意とは言えないが僅かながら肺血流量は増加し,Fontan血流時にその有用性が示唆された. 実験計画ではSVC,IVC遮断用の小バルーンが右房内バルーンより僅かに早くInflation,Deflationするように開発する予定であったが現有駆動装置ではこの2系統の駆動は難しく,本年度は前出の上下1/3を絞扼して作製した7.0cc容量のIABPバルーンを使用して右房-肺動脈間バイパスを作製した犬で実験を継続した.Fontan血流下では正常肺血流下に比較して有為な血流増加を認めるには至っていない.とくに肺動脈絞扼時に,バイパス内では肺動脈圧の上昇は認められるが,肺動脈内の流速は有為には上昇せず,駆動時の有効肺駆出量と肺動脈逆流量の比較解析までは到達していない.今後も実験を重ね,右房内バルーンパンピング法にの有用性を検討したい.
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