1997 Fiscal Year Annual Research Report
脳下垂体腺腫の分化増殖における基礎的研究-インヒビン、アクチビンの下垂体腺腫における局在とその作用について
Project/Area Number |
09771066
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
金谷 幸一 日本医科大学, 医学部, 助手 (50224621)
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Keywords | アクチビン / インヒビン / 酵素抗体法 / in situ hybridization / 正常下垂体 / 下垂体腺腫 |
Research Abstract |
アクチビン(activin)は脳下垂体からのFSH(follicle stimulating hormone)の分泌を刺激し、インヒビン(inhibin)はその分泌を抑制するホルモンである。 近年インヒビン、アクチビンの下垂体における局在についての報告が散見されているが,その結果は未だ十分とはいえない。 われわれの研究ではヒト正常下垂体、及び下垂体腺腫において、酵素抗体法、in situ hybridization法を用いてアクチビン、インヒビンの各サブユニットの局在と、その作用と機能について検討することである。正常下垂体細胞、下垂体腺腫において、インヒビン、アクチビンが産生されていることが確認され、その機能が明らかにされることにより下垂体細胞の機能分化、腺腫の誘導、増殖のメカニズムが解明される可能性がある。 当施設では、年間約80例の脳下垂体腺腫を手術しており、また以前から採取保存中の腫瘍サンプルは約600件を超える。 平成9年度は手術時採取した脳下垂体腺腫材料を主に酵素抗体法を用いて下垂体前葉ホルモンとインヒビン,アクチビンのサブユニットの局在を検討した。その局在は現在までヒト正常下垂体および下垂体線種においては報告が不十分である。我々は多くのヒト下垂体標本を用いることで機能性腺腫と非機能腺腫とに特徴的な局在を確認できた。 平成10年度は従来の報告と合わせ、腺腫の分泌機能に関するこれらの基礎的知見に臨床内分泌学的所見を加えて更に検討する。具体的な研究内容は臨床内分泌学的に特徴的な腺腫において酵素抗体法に加え,in situ hybridization法を用いて検討する。つまり、ホルモン産生腺腫においてタンパクレベルとmRNAレベルで検討する予定である。 この研究により正常下垂体及び下垂体腺腫におけるアクチビン、インヒビンの局在と機能発現が明らかにされ、下垂体腺腫発生のメカニズムを少しでも解明したい。
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Research Products
(1 results)