1997 Fiscal Year Annual Research Report
難治性慢性硬膜下血腫の成因に関する形態学的、生化学的研究
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09771073
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高橋 禎彦 久留米大学, 医学部, 助手 (40248430)
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Keywords | Chronic subdural hematoma / Scanning electron microscopy / Collagen fiber |
Research Abstract |
11月より70歳以上の高齢者慢性硬膜下血腫の症例は3例、70歳以下の症例は3例であった。そのうち再発症例は3症例である。手術時に採取できたのは3症例であった。手術中に被膜を損傷しないように採取した。まず形態学的には走査電子顕微鏡用に試料を作成した。10%水酸化ナトリウム処理をおこない被膜の膠原繊維を露出させ走査電子顕微鏡で観察した。被膜の硬膜面は膠原繊維が密であった。反対に血腫面は繊維は粗であった。これらの画像所見を分析したところ明らかに膠原繊維の走行、及びその量に差があった。70歳以上の高齢者試料でも膠原繊維の構築には差がなかった。以上よりこれらの膠原繊維の構築は慢性硬膜下血腫に特徴ある所見と考えられた。Geriatric Neurosurgery vol10に投稿中である。生化学的アプローチはVEGFを用いて被膜内の分布を観察するが、抗体の反応がうまくいかず現在抗体の濃度をかえて反応を見ているところである。免疫電顕まで試料を作成する予定だったがまだ光顕レベルで反応を検討中である。平成十年度は免疫組織学的研究を中心にすすめる。それと平行して慢性硬膜下血腫被膜の採取をおこない症例数を増やす。
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