1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外アデノシン燐酸の関節軟骨細胞、滑膜細胞による分泌および同細胞に対する影響
Project/Area Number |
09771104
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
大野 弥 独協医科大学, 医学部, 助手 (30233232)
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Keywords | ATP / 軟骨細胞 / 滑膜細胞 |
Research Abstract |
豚膝関節軟骨及び滑膜、人関節軟骨をトリプシンとコラゲナーゼで消化したのち各細胞を10^5個/mlづつ12穴培養プレートにまき単層培養した。コンフル-エントに達したのちTGF-βを5、10、30μg/mlの濃度になるように培養液に加え、2日に一回交換した。TGF-β添加後24時間、48時間、5日、10日、14日後に培養液中のATP濃度を測定した。アデノシンリン酸濃度測定にはHPLCを用いる予定であったが本年度は都合により使用できなかったため、その代わりとしてSigma社ATPバイオミルネッセンスアッセイキット及びアロカ社ケミルネッセンスリーダーを用いてATP濃度のみを測定した。豚関節軟骨及び人関節軟骨は5×10^<-11>MのATPをコンフル-エント後培養液中に放出していた。この濃度は測定期間中変化しなかった。またTGF-βを添加したものでは、5、10、30μg/mlいずれの濃度でも培養液中へのATP放出量は変化なく5×10^<-11>M前後であった。またこの濃度はTGF-β添加後14日目まで変化しなかった。この傾向は滑膜細胞でもほぼ同様であった。以上よりTF-βは本実験の濃度範囲では細胞外ATP濃度に対する影響はないと結論できる。しかし各細胞の細胞外酵素による分解も考えられるため今後はこれら酵素の阻害薬を用いた自験を進める予定である、またTGF-β以外の物質についても関節軟骨細胞、滑膜細胞のアデノシン燐酸放出に対する影響を今後検討していく予定である。
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