1997 Fiscal Year Annual Research Report
リ-ミングによる長管骨の微小血管構築への影響について
Project/Area Number |
09771105
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中村 聡明 北里大学, 医学部, 助手 (90255331)
|
Keywords | リ-ミング / 微小血管構築 / 髄内釘 / 骨皮質血流 / Revascularization |
Research Abstract |
【目的】臨床では長管骨骨折に髄内釘法が一般的に用いられるが、髄内血行障害が少ないと言う理由からunreamed nailingが推奨される傾向にある。そこでまず骨皮質血流に着目してその経時的変化を測定し、reamed nailingとunreamed nailingの比較検討を行うを目的とした。 【方法】入手が比較的容易な日本白色家兎の大腿骨を用いて、laser doppler flowmetryで経時的に骨皮質血流を測定した。一方の大腿骨に手術を行い、反対側をcontrol群とした。 (手術手技)大腿骨顆間部より工作用ドリルでreamingを行い、3.0mmのKirschner鋼線を挿入した(reamed群)。同様に、reamingをせずに2.0mmのKirschner鋼線を挿入した(unreamed群)。 (評価時期)術後、2時間,3日,1,2,3,4,5週 (評価部位)大腿骨骨幹部の近位、中央、遠位の骨皮質 【結果】Reamed群とunreamed群はともに、髄内釘の挿入後明らかな骨皮質血流の低下を認めた。revascularizationは術後3〜5週で認められた。 【考察】Laser doppler flowmetryのプローブは接触型のものを使用したが、検体への接触状態により測定値に誤差を生じるため、プローブを完全に密着固定する必要があった。また、測定値に影響を与える因子として、手術用の無影燈の光や術野の出血があり、できるだけこれらを排除した。しかし、若干の測定値に誤差を生じ、個体差も若干認められたため、同一個体における反対側をcontrol群として同時に測定を行った。今後、検体数を増やして統計学的有意差をreamed群とunreamed群間で検討する予定である。
|