1997 Fiscal Year Annual Research Report
棘間靱帯内電極を用いた脊髄刺激または記録による脊髄誘発脊髄電位導出法の開発
Project/Area Number |
09771114
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山本 直也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40266789)
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Keywords | evoked spinal cord potential / transpharyngeal stimulation / myogenic motor evoked potential / train stimulation |
Research Abstract |
実験1 脊椎手術症例において、伏臥位をとらせた後、17Gの硬膜外針を用いて、硬膜外電極2本を脊髄の走行と平行になるように棘間靱帯内に刺入するものと、脊髄の走行に直行するように傍脊柱筋内に硬膜外電極を刺入するものを試みた。前者の電極先端は椎弓に接する深度に位置し、後者の場合には椎間孔に隣接するようにレントゲン透視下に設置した。これらの電極を用いて、高電圧刺激装置(Digitimer 185A)により脊髄刺激を行った。誘発脊髄電位の記録には咽頭電極を用いた。どちらの設置方法においても、咽頭電極から電位を導出することは不可能であった。 実験2 これまで高電圧刺激装置(Digitimer 180A)ではtrain刺激が不可能であり、咽頭電極を用いた、経咽頭延髄脊髄刺激では麻酔下での誘発筋電図(myogenic MEP)の導出が不可能であった。現在、いくつかの施設で経頭蓋電気刺激によるmyogenic MEPが手術中の脊髄機能モニタリングに有用であるか試みられているが今回、高電圧刺激装置(Digitimer 185A)を用いたtrain刺激により経咽頭刺激により、myogenic MEPの導出が可能であった。これにより安全性の不確かな大脳への高電圧電気刺激を避けることができる。myogenic MEPの記録は表面電極であり、硬膜外または硬膜内に電極を挿入する必要がない。これにより今回の研究の主目的であった、経頭蓋電気刺激と硬膜外(内)電極の設置を必要としない脊髄モニタリング方法の開発は達せられた。今後、経頭蓋刺激と咽頭刺激による誘発筋電図の違い、myogenic MEPと誘発脊髄電位のどちらが実際の脊髄機能モニタリングとして有用であるか確認する予定である。
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Research Products
(1 results)