1997 Fiscal Year Annual Research Report
「ふるえ」に関与する視床下部の液性因子と麻酔薬の作用
Project/Area Number |
09771132
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青井 賢一郎 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (10271678)
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Keywords | ふるえ / 視床下部 / 液性因子 / 麻酔薬 |
Research Abstract |
全身麻酔からの覚醒に際し、全身性の「ふるえ」が生じる場合がある。この「覚醒時のふるえ」にはしばしば過度の末梢血管収縮と末梢温の異常低下および中枢温の異常上昇を伴う点で、生体の恒常性維持のための「ふるえ」とは様相を異にしている。この全身麻酔覚醒時の異常な「ふるえ」の機序として、手術侵襲によるサイトカイン、プロスタグランジンの産生やカテコラミンの過剰分泌が関与していることが推定されているが、これら物質が実際に体温調節中枢に作用し、そのセットポイントを変えているかについては不明である。 本研究ではラットを用い、全身麻酔そのものが体温調節中枢のセットポイントを変えるか、麻酔中の手術における侵害刺激などが体温調節中枢に影響するか、解明を試みた。 本年度はそのためのモデル作成を行った。成熟ラットを全身麻酔下にラット用脊椎・脳定位固定装置(備品として申請)に固定する。定位電動ドリルにて頭蓋骨に小孔を開け、深部体温測定電極を視床下部に刺入する。脊髄硬膜外にも微小体温測定プローベを挿入する。さらに咽頭、肩甲間脂肪組織、直腸、尾部および下腿三頭筋にサーミスタを挿入し、これらの部位の温度を連続的に記録する。節電図電極を下腿三頭筋に刺入し、漸増する筋組織のバーストにより「ふるえ」のモニターする。以上のデータはADコンバータにオンライン入力することによりコンピュータ解析可能となった。
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