1997 Fiscal Year Annual Research Report
開心術後及び虚血再灌流後の肝血流と肝チトクローム P-450代謝機能に関する検討
Project/Area Number |
09771136
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊佐 之孝 群馬大学, 医学部, 助手 (10282401)
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Keywords | ^<13>C-フェナセチン / ^<13>C-呼気テスト / ^<13>CO2 / 開心術後肝機能 / 虚血再灌流後肝機能 |
Research Abstract |
平成9度は、動物・虚血再灌流モデルを作成し、フェナセチン代謝機能回復が血中ケトン体比やPHiとShv02の変化の時相と並行するか等を検附した。全身麻酔・気管内挿管下呼吸器管理とし、大腿動脈、末梢静脈、肝静脈カテーテル、Swan-Ganzカテーテル及び胃粘膜カテーテルを挿入した。質量分布計を使用し連続測定する予定であったが測定感度不良のため、赤外線分光計(HBP-100,日本分光工業株式会社)を用いて^<13>CO2の変化を測定することにした。還血時に^<13>C フェナセチン1.5mg/kg(0.6mg/1mlに調整)を静脈投与した。^<13>CO2排泄量、^<13>CO2消失速度、PHi、shvO2、AkBR、HVKBR及びSwan-Ganz dataは脱血前、還血直前、還血30分後、60分後、120分後、180分後に記録した。コントロール群として、全身麻酔・呼吸器管理下非虚血モデルを用いた。 【結果】^<13>CO2消失速度(^<13>CO2%dose/min)は虚血再灌流群で著明に低下し(虚血再灌流群0.01±0.003 vs コントロール群0.21±0.05,還血30分後、p<0.01)、還血180分後においても、虚血再灌流群の消失速度の継続した低下がみられた。同様に虚血再灌流群における^<13>CO2排泄量の著明な低下をみた。PHi、Shv02、AKBR、HVKBR値等については還血直前の値が最低値となっており、還血直後に^<13>C フェナセチンを投与したため、回復期の時相に関する検討までは不可能であった。平成10度は、成人の心臓手術後症例患者を対象とし、入室時、入室6時間後、12時間後、24及び48時問後にそれぞれ^<13>C フェナセチンを投与する予定なので、フェナセチン代謝機能回復と血中ケトン体比やPHiとShv02の変化の時相との並行、肝ミクロゾーム代謝機能と術後肝障害との関連等が検討可能である。
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