1997 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経性皮膚血流反応を利用した痛みの定量評価法の開発
Project/Area Number |
09771171
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
生田 義浩 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (90264308)
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Keywords | 交感神経性皮膚血流反応 / 痛みの客観的評価法 / 温熱刺激 |
Research Abstract |
交感神経性皮膚血流反応(Sympathetic flow response,以下SFR)の有無は、侵害刺激入力の指標となる。このSFRを定量評価し、交感神経活動との関係を研究することにより,SFRの定量評価による痛みの客観的評価法の確立を目的として行った。今年度は,ヒト(ボランティア)で温熱,痛覚刺激変化(強度,刺激時間)によるSFRの変化を定量的に評価した。安静仰臥位でSFRの血流減少比は.温熱刺激強度との間に有意な相関を認めた。この血流減少比は、覚醒時と比較して,ベンゾジアゼピン系鎮静薬の少量静注では変化せず,鎮痛作用を有する笑気の吸入(30%)では有意に減少した。また,いずれの場合も,SFRの血流減少比と温熱刺激強度との間に有意な相関を認めることを報告した(第50回日本自律神経学会総会で発表,投稿準備中)。次に,仰臥位と立位での変化を観察した。いずれの場合も,熱刺激強度変化に対するSFRの血流減少比には有意差はなく.交感神経活動を増加させた状態でも痛みの認識の程度は変化しないことを確認した(第45回日本麻酔学会で発表予定)。来年度は、ヒト(ボランティア)での侵害刺激強度変化時のSFRとマイクロニューログラフイ-で得られる皮膚交感神経活動との比較,動物実験によるSVmR変化と吸入麻酔薬の肺胞濃度との関係(準備中),全身麻酔中のSVmRの出現頻度と血中カテコラミン濃度の変化を経時的に確認し,皮膚血流波形の周波数解析結果と比較,検討する予定である。
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