1997 Fiscal Year Annual Research Report
疼痛に伴う循環反応における視床下部室傍核でのプロエンケファリン遺伝子の役割の検討
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09771181
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
廣瀬 宗孝 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50275228)
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Keywords | 疼痛 / 血圧 / 一酸化窒素 / 視床下部 / 熱傷 |
Research Abstract |
1)プロエンケファリンmRNAに相補的なオリゴヌクレチドを作成し、ペントバルビタール麻酔下で脳定位固定装置にセットしたウイスターラットの視床下部に1μl注入した。このオリゴヌクレオチドの、侵害刺激としてのテ-ルクランプによる血圧上昇に対する影響を調べたが、本年度の研究では有意な変化が無く、オリゴヌクレオチド作成方法の再検討を考慮中である。 2)NO電極を同じラットの視床下部に挿入し、侵害刺激に対するNO濃度の増加を前年度の研究(平成8年度科学研究)をより掘り下げて、実験終了後にクレシルバイオレットによる組織染色で電極先端部を同定したところ、視床下部室傍核および視索上核においてNO濃度が増加する可能性が示唆された。 3)ペントバルビタール麻酔下のウイスターラットの体幹部を、75℃の湯水に背部、左右体側部をそれぞれ15秒間、腹部を6秒間浸して第3度の熱傷モデルを作成した。このラットの熱傷を受けていない下肢の熱逃避時間は、熱傷作成14日後においてコントロール群に比べて有意に増加していた(12.0±1.5vs.8.5±0.2sec)が、同じ14日後にホルマリンテストを施行したところ第1相の下肢フリンチ回数が有意な差は無かったが、第2相で明らかな有意な増加が認められた。中枢神経系での侵害受容ニューロンの感作が生じた可能性が示唆されるが、視床下部における変化は今後の研究課題である。 4)臨床研究として帝王切開術後の患者に、術後鎮痛として硬膜外腔にオピオイド受容体の部分アゴニストであるブプレノルフィンを投与した群と投与しなかった群で、母乳量および新生児の体重増加を比較した。ブプレノルフィン投与でそれぞれの値は有意に抑制され、侵害刺激下でのオピオイド受容体とオキシトシンやプロラクチンとの視床下部での関与が示唆された。
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Research Products
(1 results)