1997 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺部尿道におけるEndothelinの生理学的作用
Project/Area Number |
09771204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今荘 智恵子 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40261987)
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Keywords | エントセリン / 前立腺 / 膀胱 |
Research Abstract |
研究方法:実験1.ヒト前立腺切片を用いた等張性収縮実験を行い、エンドセリン-1(ET-1)およびET_B受容体作動薬サラホトキシン(S6C)による試験管内での収縮反応とET_A受容体拮抗薬PD155080、BQ123の収縮阻害効果を検討した。実験2.ラット膀胱で閉塞モデルを作成し、[^<125>I]ET-1、[^<125>I]IRL1620(ET_B受容体作動薬)を用いた結合実験を行い、エンドセリン受容体の親和性、分布について検討した。さらに等張性収縮実験を行い、ET-1による閉塞膀胱の収縮反応の変化を検討した。 結果:実験1.等張性収縮実験でET-1とS6Cはヒト前立腺に対して同等の収縮を起こした。Emaxは各0.17±0.03g/mm^2、0.20±0.09g/mm^2、EC50は各0.49±0.11nM、0.37±0.09nMであった。PD155080、BQ123はET-1のdose-response curveを右方へ変位させたが、S6Cのdose-response curveに影響を及ぼさなかった。実験2.[^<125>I]ET-1、[^<125>I]IRL1620の特異的結合はいずれも飽和曲線を描いた。ラット膀胱でもET^A受容体およびET^B受容体の存在が確認され、密度の比は30:1であった。ET-1のBmaxはコントロール、膀胱閉塞3日後、7日後、各41.10±11,9(fmol/mg wet weight)、81.48±9.11(fmol/mg wet weight)、95.68±22.09(fmol/mg wet weight)と閉塞3日後には有意に増加していた。Kdに変化は認めなかった。またIRL1620ではKd、Bmaxともに有意な変化を認めなかった。等張性収縮実験ではEmaxはコントロール、閉塞7日後で、各0.14±0.02g/mm^2、0.35±0.04g/mm^2であり、閉塞膀胱で有意に増加していたが、EC_<50>は有意差はなかった。
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