1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771230
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
福田 博志 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00280967)
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Keywords | 毛細リンパ管 / 膀胱 / 前立腺 / 酵素抗体法 |
Research Abstract |
1.研究方法の変更;本奨励研究申請時には,病理組織学的にリンパ管を同定するための特異的なマーカーである5'-Nacleotidaseを酵素組織化学的に証明する方法を予定していた.実際に試行してみたところ,膀胱においては安定した結果を得られなかった.より確実な方法を目指し,酵素抗体法によるリンパ管同定を検討してみた.その結果,デスモゾームの構成分子の1つであるデスモプラキンを抗原とする事によりリンパ管を同定できそうで有ることが判明した.その為に,方法を申請時とは変更した方法で実験している. 2.現況;現在,新鮮凍結切片を用いて正常膀胱・前立腺における毛細リンパ管同定を酵素抗体法間接法にて検討している. 3.知見:(1)前立腺;腺腫内においては毛細リンパ管の分布は乏しい.前立腺においては主に被膜下領域に存在する.(2)膀胱;粘膜下〜筋層内においては毛細リンパ管の分布は乏しい.膀胱においてもリンパ管は主に漿膜下領域に存在する. 4.今後の展望:(1)正常組織;毛細リンパ管分布様式の検討に関しては,更に症例を重ねていく.できれば,経年的な変化も検討していきたい.(2)腫瘍組織;浸潤性癌周囲におけるリンパ管の分布様式・リンパ管内浸潤様式・リンパ管内浸潤頻度を検討していく予定である.(3)臨床へのフィードバック;パラフィンブロックを用いて,過去の症例におけるリンパ管浸潤を確実に同定し,判明している予後との相関関係を確認していく.
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