1997 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺における細胞膜骨格蛋白質の存在と分布およびその臨床的意義
Project/Area Number |
09771234
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
野田 賢治郎 東京医科大学, 医学部, 助手 (20276934)
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Keywords | 前立腺 / 細胞膜骨格蛋白質 |
Research Abstract |
:前立腺における細胞膜骨格蛋白質の存在と分布の免疫学的検討を行った.細胞膜骨格蛋白質として,スペクトリン,アンキリン,4.1蛋白質について検討した. 1.酵素抗体法による免疫組織学的検討 男性膀胱癌患者の膀胱全摘除術および前立腺肥大症患者の経尿道的前立腺切除術の際に得られた前立腺組織をホルマリン固定パラフィン包埋し,免疫組織染色を施行した.前立腺上皮細胞の細胞質にスペクトリン,アンキリン,4.1蛋白質を同定することができた.また,正常前立腺組織と前立腺肥大症組織間に明らかな差は無かった. 2.イムノブロット法による検討 男性膀胱癌患者の膀胱全摘除術の際に得られた前立腺組織を用い,ウェスタンブロット法を施行した.スペクトリン,アンキリン,4.1蛋白質いずれも同定することができなかった. 今回,酵素抗体法よる免疫組織学的検討とイムノブロット法による検討の結果に差が認められた.免疫組識学的結果は,前立腺での細胞膜骨格蛋白質の存在を強く示唆するものと考えられた.イムノブロット法においてこれらの蛋白質が同定できなかった理由としては,組織処理の際,前立腺組織内のプロテアーゼにより細胞膜骨格蛋白質が分解されてしまったためと予測された.今後,イムノブロット法を行う際には,プロテアーゼインヒビターによる調整を行い検討する予定である.
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