1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771286
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡 智 長崎大学, 医学部, 助手 (60291530)
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Keywords | 妊婦 / 胎盤 / 糖尿病 / 妊婦糖尿病 / 組織蛋白糖化度 / 糖尿病性胎児病 |
Research Abstract |
妊娠に合併する糖尿病や妊娠糖尿病は、胎児奇形や巨大児の発症などの原因となる事が知られており、代表的な母胎依存胎児病のモデル病態といえる。しかし、これら耐糖脳異常が胎児病をもたらす機序は旭かではない。近年、糖尿病研究の分野では組織蛋白糖化度は、糖尿病の重症度を反映する指標として注目されている。妊娠中の胎盤は、妊娠期間を通して母胎からの血液に暴露されており、その組織糖化蛋白を定量することによって、母体の耐糖能異常の胎児への影響の程度を推測できるものと考えられる。組織蛋白糖化度の測定は、ヒドラジンをを用いて糖化蛋白(2-keto-glucose)を呈色させ、比色定量するものである。まず、標準物質としてPhenylhydrazine・HCLをならびに胎盤切片を用意し、標準曲線を作成した。さらに、本年度は.基礎的研究として胎盤の組織蛋白質糖化度の測定法の確立についての検討を行った。 (対象)当科で管理した妊婦に対し、同意の上、分娩時に胎盤の切片を、1.胎盤中央部、2.盤辺縁部、3.卵膜、4.臍帯に分け提供していただき、凍結保存した。 (方法)1.凍結乾燥機を用いて、胎盤切片を乾燥、定量。2.測定材料を0.1mlのヒドラジン試薬に加え金属恒温槽を使用し、100°Cで30分間加熱後冷却。3.0.02mol/lフェニルヒドラジン40%酢酸溶液(0.6ml)を恒温水槽を使用し60°C・1時間加熱。4.分光光度計を用い反応液上清の吸光度(390nm)を測定。 (結果)胎盤4部位の組織蛋白糖化度の差異を検討したが、差は認められなかった。 次年度に、耐糖能異常合併妊婦から採取し凍結保存している胎盤切片の組織糖化度の定量ならびに免疫化学染色を行い、胎児病発症との関連についての検討を行う。
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