1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラクトフェリンのヒト子宮内膜増殖及び着床に及ぼす役割についての検討
Project/Area Number |
09771309
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
藤間 芳郎 昭和大学, 医学部, 助手 (80241024)
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Keywords | ヒト子宮内膜 / ラクトフェリン / 細胞増殖作用 / EGF |
Research Abstract |
1;正常子宮内膜におけるラクトフェリンの局在 正常子宮内膜を増殖期、分泌期に分け、抗ヒトLFモノクロナール抗体を用いたStreptavitin-biotin法で染色し、LFの発現局在について免疫組織化学的検討した。その結果、分泌期に比べ増殖期での腺細胞に染色性が強く認められ、細胞内においては、核上、核下、にその染色が局在していた。 2;正常子宮内膜におけるラクトフェリン遺伝子の発現 増殖期、分泌期それぞれの子宮内膜よりm-RNAを抽出し、設定したプライマーを用いてRT-PCR法にて増幅、その発現をβ-actを内部基準とし比較検討した。その結果、分泌期内膜に比べ増殖期内膜にラクトフェリンm-RNAの発現を強く認め、この結果はサザンハイブリダイゼーションにて確認された。さらに、RT-PCR法にて増幅したc-DNAを元にプローブを作成、ノーザンハイブリダイゼーションを行った。その結果は、RT-PCR法での結果と同様であった。 3;ラクトフェリンの子宮内膜間質培養細胞への効果 ラクトフェリンを子宮内膜間質培養細胞へ添加し、その増殖効果をBrdUを用いたELISA法にて検討した。ラクトフェリンを1ng/mlから1000ng/mlまで添加したところ、濃度依存性の細胞増殖が認められた。また、ラクトフェリン(100ng/ml)添加における細胞増殖効果はエストラジオール(10nM)とほぼ同等の増殖効果であった。このラクトフェリンの増殖効果はEGFレセプター抗体により抑制され、EGFレセプターがラクトフェリンの増殖に関与していることが推測された。また細胞内での伝達経路を検討するために、タイロシンカイネースインヒビターを添加したところ増殖効果の減弱が認められ、ラクトフェリンの増殖効果がタイロシンカイネースを介していることが認められた。
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