1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771339
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
赤荻 勝一 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40283064)
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Keywords | 胸鎖乳突筋誘発筋電図反応 / 末梢前庭器 / 神経回路 |
Research Abstract |
音刺激による胸鎖乳突筋誘発筋電図反応が蝸牛起源でなく、末梢前庭器由来の反応であることが明らかになっている。本研究は、末梢前庭器のどれがこの反応の受容器であるかを明らかにするとともに、その神経回路を解明することが目的である。 我々は、正常耳、高度難聴耳および前庭機能高度低下耳などを対象にして音刺激による脳鎖乳突筋誘発筋電図反応を検討した。そして、高度難聴耳でも反応がみられ、前庭機能高度低下耳においては結果に解離がみられる場合があることを明らかにした。この結果は、前庭機能高度低下耳をさらに詳しく分類することが可能になったことを意味する。疾病の傷害部位の診断に本反応が有効な検査となりえることを示唆した。末梢前庭において球形嚢は正円窓の近位に存在、聴覚、振動覚も感受性可能であることが指摘されており、球形嚢が本反応の受容器である可能性があると考えている。 モルモットを用いた動物実験では、聴性脳幹反応を記録しその閾値上の音刺激を加えることによって、内耳道をでたところの前庭神経において反応を記録することができた。この結果は、蝸牛由来ではなく末梢前庭器のいずれかが本反応の受容器であることを意味する。 記録できた前庭神経または前庭神経核内で音刺激に反応する神経細胞を同定し、WGA-HRPを注入し発色する細胞分布を観察することによって神経回路を明らかにする予定である。一方、音刺激による頸部の誘発筋電図を記録することはできなかった。これは麻酔法が原因と考えられ、これまでウレタン、ネンブタールを使用したが、筋電図を記録するようさらに検討をしていく予定である。
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Research Products
(1 results)